1950年録音、ベートーヴェンのSym.7の謎 [ウィルヘルム・フルトヴェングラー (cond.)]
2011年に突入してからの、EMIによるフルトヴェングラー新譜ラッシュは、
巨額な負債を抱えてアメリカの企業に買収される前の英断なのかもしれない。
企業買収によって、音源の扱いがどうなるのか(良くなるか、悪くなるか)はわからないからだ。
廉価盤BOXの売り上げも好調なようである。音質もけして悪くないし(75点?)、SACDとは
雲泥の差ではあるけれども、若い人に聴いてもらいたい。
個人的には是非シューリヒトやクレンペラーのSACD化を求めたいところです、はい。
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で、件のベートーヴェンの7番のことだが、既存のCDよりも、音質が良く、
3楽章の音の歪や不安定さもなく、キンキンした感じもなく、伸びやかでとても気に入っている。
ただ、4楽章にはやはり、女声が混入しているように思う(shin-pさんのHPに詳しい)。
この女声は、マスター・テープからSP用メタルが作成される際にはなかったもので、
SPからLP用のマスターが作成された時に混入したのが事実関係だと思われている。
しかしながら、日ごろお世話になってるフルトヴェングラー関係のサイトによる調査によると、
EMI側の見解はこうである。
「フルトヴェングラーのベートーヴェン7番の4楽章、約3分過ぎの音声につきましては、ARSより再度回答が届きました。
それによりますと今回新発見した磁気テープにもやはり女声は存在していたようで、リマスター作業の中で取り去ったようでございます。
2種類の素材が録音時に収録されたようで、初発の78回転SP用のメタル作成のために作成されたAテープが過去にあって、
おそらくバックアップ用と思われるBテープが今回発見された素材だということです。
録音時になぜその女声が入り込んでいたのかは謎のままですが、
録音時の素材からSACD用にリマスターし、その素材に存在していた女声を取り去る作業を行ったというのが事実関係となります。」
うーん、するってぇと、最初から混入してたってことかにゃ??
しかし、SPからの復刻音源だと女声は混入していない。
???
???
SPの音を聴いたことはない。
私の推論だが、今回の音源は演奏時の最初のマスターではない。
従来盤と同じマスターの、世に出なかった保存版ではなかったか?
SP盤の切れ目の間が不自然という見解もあるが、
それが原因で世に出なかった音源ではなかろうか???
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こういうことを書くと、クラシックを普通に楽しんでいないと思われるかもしれませんが、
ちょっとした推理ゲームをしただけですので、念のため!
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